関志雄(かん・しゆう)さんと鄭必堅(てい・ひつけん)さん!

●こんにちは。いよいよ青葉・若葉の5月の開幕ですね。おかげさ
 まで東京地方は快晴。予報にればお昼すぎには25度にも達する
 という素晴らしい陽気です。
 
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◆1.関志雄(かん・しゆう)さんと鄭必堅(てい・ひつけん)さん!
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●4/26の朝日、『日本の平和主義評価』、『中国主席側近(の)鄭
 必堅氏 関係打開へ3提言』(五十川倫義・論説委員)によれば、
 日中の有識者でつくる新日中友好21世紀委員会の中国側の座
 長で、胡錦涛主席のブレーンでもある鄭必堅さんが会見。関係
 打開に向けて下記の3項目を提言しました。

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1.≪平和的な発展の継続≫:
  日本が60年間、平和発展の道を歩んできたことを称賛。戦後
  日本の平和主義を評価する。
2.≪侵略戦争被害者感情への配慮>:
  被害者感情を傷つけることを避けることは、日本が持てる力を
  アジア、世界で発揮するのに有利だ。(間接的な表現として、首
  相の靖国参拝の自制を求める)
3.≪戦略的な位置づけの明確化≫:
  日中共同でアジアの発展に尽くせることを望む。アジアの重要
  な一員としての戦略的な位置づけを日本が明確にする。

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●特に注目すべきなのは「被害者感情を傷つけることを避けるこ
 とは、日本が持てる力をアジア、世界で発揮するのに有利だ」と
 の発言ではないかと思います。

●4/24の『激動する北東アジアと日米』シンポジウムにおいてジョ
 セフ・ナイさんが提言。米側6人(民主3名・共和3名)のメンバ
 ーもほぼ同様の意向を示した、「『参拝の権利は保つが、その
 権利は行使しない』という形で、日本は中韓などの歴史カードを
 封印し、日米中韓4か国はお互いに、偏狭なナショナリズム
 ワナから脱却。環境やエネルギーなど、未来志向の共通の課
 題の解決のために前進すべきである」との提言(骨子)と見事
 なハーモニーを奏(かな)でています。

●また、4/26の日経本紙29面の『経済教室』、『中国研究報告』、
 『調和とれた社会への岐路』、『日本の経験・参考に』、『(中国)
 国内版のFTA・ODA必要』の記事を書いた関志雄さん(野村資
 本市場研究所シニアフェロー)は次のようなことを率直に指摘・
 提言されています。

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1.三農(農業・農村・農民)が問題になった背景には、農業から
  の搾取、農村軽視、農民差別といった開発戦略が長年とられ
  てきたことがある。
2.都市と農村を分断する『戸籍登記条例』、農民の1票の重み
  が都市住民の4分の1に制限されている『選挙法』などにある
  農民差別の条項を廃止し、憲法をはじめとする様々な法令(
  義務教育法、労働法、社会福祉関係の法律)を全国民に適
  用する。
3.(1)統一した国内市場の整備。(2)地域間の比較優位に基
  づいた分業体制の構築。(3)中央財政を通じた、先発地域
  から後発地域への財政移転。―の3点を推進すること。
4.(1)所得の2極格差。(2)環境破壊と公害問題の発生。(3)
  党・政府の役人の汚職・腐敗―など、市場原理のみが優先
  され、社会的な公平・持続的な発展とのバランスを早急に図
  らないと、いわば(中国の)『ラテンアメリカ』化現象が生じる
  ことになりかねない。
5.そうした中国の重要課題の解決のために、日本のこれまで
  の経験(具体的な論述部分は割愛)は極めて貴重であり、今
  後・中国はまさに日本の道を進むのか、それともラテンアメリ
  カの道を進むのかという岐路に立っている。

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●まず日本のこれまでの経験・歩みを、あるがままに高く評価し
 ていただいた関志雄さんの勇気に心から感謝したいと思いま
 す。(そして、戦後日本の平和主義を高く評価してくださった鄭
 必堅さんの知恵にも・・・)

●そして、関志雄さんが指摘された『格差解消の課題』は、現在
 の日本の最も重要な課題でもあることを改めて確認しておきた
 いと思います。また、鄭必堅さんが提言された、日中双方の平
 和的な発展の継続もまた、共々に誓い合っていきたいと心か
 ら念じて止まない次第です。

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◆2.5/19フォーラム(103回)4講演の顔触れが確定しました!
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詳しくはコチラ!→ http://ecken.jp
お申込みはコチラ!→http://ecken.jp/index#sanka

■講演1:13:00〜13:50
◆テーマと講師:
 『ネット専業のジョインベスト証券の設立コンセプトと、その成長
 戦略』
 ジョインベスト証券株式会社 代表取締役 平野 信介氏 

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■講演2:14:00〜14:50
◆テーマと講師:
 『国内ブログ記事(約1億件)を対象に、評価分析できる企業向け
 の「バズパルス」事業の現状と展望』(仮題)
 ニフティ株式会社 WOM(ウォム)マーケティング・プロジェクト
 コンサルタント 見嶽(みたけ)太朗氏

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■講演3:15:00〜15:50
◆テーマと講師:
 『日米ブログ市場の動向と、当社の成長戦略』(仮題)
 シックス・アパート株式会社 代表取締役社長 関 信浩氏

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■講演4:16:00〜16:50
◆講演テーマと講師:
 『民間主導型の地域活性化・情報化の先進事例、「佐渡、お笑い
 島計画」に見る「地域ブランド」のこれから』
 株式会社うぶすな 代表取締役社長 吉井 靖氏

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■日時:2006年5月19日(金)13:00〜17:00(終了後に経団連ビル
 3Fの食堂で懇親会があります。参加費は、講師は無料、女性千
 円、男性2千円前後の予定です。初めての方、歓迎します)
■場所:三菱総研ビル1階AVルーム 東京都千代田区大手町2-3
 -6 (鎌倉橋寄り、高速道路手前の日経本社ビル斜め前です)
■最寄駅:地下鉄・丸の内線・大手町駅A2出口・徒歩2分、総研ビ
 ル入ってすぐ左手が会場です。【地図】 
http://www.mri.co.jp/PROFILE/office_map.html
■参加費:5千円
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◆3.私的報告『タイ・ラオスカンボジア歴訪の旅(旅日記2/8編)』
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●2/8(水)6時半に起床。シェムリアップ2日目の朝。7時ごろか
 ら、宿の2階のバルコニーで日記を書いたり、ガイドブックの類
 に目を通したりしている。吹き抜ける風が涼しくて快適だ。

●クメール王国のかって首都であったシェムリアップ。王都は大
 農業国で、水の都でもあったという。和辻哲郎さんの名作『古寺
 巡礼』ではないが、なぜかシェムリアップが日本の大和盆地・奈
 良の都のように感じられて来る。奈良の都の東大寺がアンコー
 ル・ワットではないかと・・・。

●果実と牛乳のみの朝食を済ませ8時ごろアンコール・ワット
 向けて出発。愛馬はいつもの貸し自転車。1日1ドル。北へ片
 道3キロの道のり。往復約6キロ。遺跡めぐりで10数キロは走
 る可能性が高いので全体で約20キロの、先を急がないのんび
 りとした、でも炎天下での、たったひとりの自転車ロードレース。

●大き目のタオル1枚をサドルの上に乗せて、お尻の痛いのを防
 ぐつもり。小さめのタオルは汗ふき用。ハンカチを三角に折って
 首の後方にあて、過度の日焼けを予防。短パンに袖なしのシャ
 ツ1枚。水筒とガイドブック。小さめのバナナ1房がこの日の全
 財産。この日の体調は残念ながらまだ65%の戻り。完走できる
 かどうか、不安がないといえばウソになる。

アンコール・ワットのお堀の水が美しい。昨年訪れたインドネシ
 ア・ジャワ島のボロブドゥールの遺跡も雄大で素晴らしかったが、
 アンコール・ワットの巨大な石を積み上げた遺跡の内部には、
 数多くの通路(回廊)や石室があり、(1)遺跡内部を歩けること、
 (2)遺跡内部にも見所が多いこと、(3)遺跡の内側と外側の見
 所のバランスがよいこと―などから、個人的にはアンコール・ワ
 ットの方が数倍・面白いように感じられた。

●同じく個人的にはアンコール・トムよりもアンコール・ワットの方
 が好ましく感じられた。世阿弥の本『風姿花伝』の中の『秘すれ
 ば花』ではないが、強い主張が適度に抑制され・整理されてい
 るところがアンコール・ワットの魅力だと思う。

●しかし、素晴らしい遺跡群を前にしてケンカを売るようで申し訳
 ないが、誤解を恐れずに率直に言えば、イチバン感激したこと
 は、遺跡そのものではなかった。

●炎天下の遺跡の中をなんとか走り抜け、無事に宿まで戻って
 来られた、老いぼれ始めた自分自身の体力や気力などへの、
 思い切った私的な挑戦。ごく私的な挑戦に、少なくとも負けな
 かったことだ。

●見事に勝ち切ることなどは、もはや夢のまた夢であるが、少な
 くとも負けなかった。敗けずに済んだことへのささやかな自負で
 あり、心からの感謝であり、感激ではなかったかと思う。

●泣き虫であり、弱虫でしかない、自分自身の体力や気力への
 ささやかな抵抗と挑戦を、これからも、可能な限り続けていきた
 いと、心から念じている。